【すべて無料】3Dプリンター用のおすすめフリーソフト15選
家庭向けの3Dプリンターは、フリーソフトの利用を前提としたものも多いことをご存知でしょうか。実は、無料で使える3Dプリンター用のソフトはたくさんあります。今回は、3DCAD・CGソフトから検証ツール、スライサーまで、3Dプリンター利用時に役立つフリーソフトをいくつかご紹介します。無料のソフトを探している方は必見です。
1.3DCADソフト5選
まずは、3Dデータを作成できる3DCADソフトを5つご紹介します。正確な作図ができる3DCADソフトは、工業用品や家具といった実用品の設計に適しています。CADのフリーソフトについてより幅広く知りたい方は「【決定版!】無料で使える高機能2次元・3次元CADソフトまとめ」をご覧ください。
(1)Fusion 360
Autodesk社が提供するクラウドベースの3DCADソフトです。機能をオールマイティに備えていることが特徴で、3DCADの基本機能はもちろん、アセンブリ、図面、レンダリング、解析(CAE)も行えます。初心者は操作を覚えるのが大変かもしれませんが、チュートリアル動画や日本語で質問できるコミュニティサイトがあり、学習環境は整っています。
STL出力:◯
対応OS:Windows/Mac
ダウンロードURL:https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/free-trial
(2)DesignSpark Mechanical
コマンドの種類が限られていて、初心者でも簡単に立体データを作成できるCADソフトです。ノンヒストリー型のため、CADの親子関係を気にせず形だけつくりたい場合に向いています。商用利用が可能で、エンジニア向けコミュニティサイト「DESIGNSPARK」では、情報交換や電子部品の3Dデータの無料ダウンロードが行えます。
STL出力:◯
対応OS:Windows
ダウンロードURL:https://www.rs-online.com/designspark/mechanical-software-jp
(3)FreeCAD
有志によって開発された完全無料の3DCADソフト。CADの基本機能以外にも、解析やシミュレーションなどの機能を備えていますが、一部の機能は別途でプラグインする必要があります。オープンソースのため商用利用可能で、自身で自由に機能拡張できることが魅力です。
STL出力:◯
対応OS:Windows/Mac/Linux
ダウンロードURL:https://www.freecadweb.org/?lang=ja
(4)Creo Elements/Direct Modeling Express
ノンヒストリー型の機械設計用3DCADソフトです。ハイエンドモデルであるCreo Elements/Direct Modelingのフリー版であり、基本機能に加え、干渉チェック、体積計算などさまざまな機能が使えます。なお、フリー版ではアセンブリのパーツ数や入出力できるファイル形式の数に制限があります。
STL出力:◯
対応OS:Windows
ダウンロードURL:https://www.ptc.com/ja/products/cad/elements-direct/modeling/express
(5)Tinkercad
初心者向けのクラウドベースのCADソフト。円柱や立方体などの図形を積み木感覚で組み合わせていくため、誰でも直感的に3Dモデルをつくることができます。日本語に対応しており、チュートリアル動画も充実しているため、初めて3DCADに触れる方にもおすすめです。販売元はFusion360と同じAutodesk社ですが、Tinkercadは子どもから大人まで使いやすい入門者向けのソフトになっています。
STL出力:◯
対応OS:Windows/Mac/Linux
ダウンロードURL:https://www.tinkercad.com/
2.3DCGソフト3選
次は、無料の3DCGソフトを3つご紹介します。3DCGソフトは多角形のポリゴンモデルを使ってなめらかな形状を表現できるため、人間や動物、フィギュアなど有機的な形状を表現するのに適しています。
(1)Blender
高機能なオープンソースの3DCGソフト。モデリングだけでなく、アニメーション、レンダリング、スカルプティング、シミュレーションなどさまざまな機能が使えます。多機能ゆえに初心者には取っ付きにくいかもしれませんが、使い方を解説した書籍やサイトを利用して学習すると良いでしょう。
STL出力:◯
対応OS:Windows/Mac/Linux
ダウンロードURL:https://www.blender.org/
(2)Sculptris
マウスやペンタブを使い、絵を書く感覚で手軽にCGモデルを作成できるソフトです。映画やゲームのCG作成にも使用される「ZBrush」の体験版に相当するソフトとして知られています。直感的に操作しやすいので、3DCG初心者の方にもおすすめです。ダウンロードページは英語版のみですが、日本語ガイドも用意されています。
STL出力:-
対応OS:Windows/Mac
ダウンロードURL:http://pixologic.com/sculptris/
(3)Metasequoia
キャラクターのモデリングに特化した日本製の3DCGソフトです。ポリゴンの基本的な編集機能に加え、UV展開図編集機能も搭載。簡易版のMetasequoiaLEは一部機能が制限されていますが、完全無料で使用できます。Metasequoiaの有料版は5,000~20,000円程度と比較的手頃な価格で入手できるため、低予算で3DCGを始めてみたい方におすすめです。
STL出力:-
対応OS:Windows/Mac
ダウンロードURL:http://www.metaseq.net/jp/
【コラム】3Dデータ共有サイトを使えばもっと簡単!
「3DCAD・CGソフトは操作方法を習得しなければならず、敷居が高い……」と感じている人もいるのでは? そんなときは、3Dデータ共有サイトにあるデータをダウンロードして流用すれば、より手軽にものづくりが楽しめます。
3Dデータ共有サイト3選
- Thingiverse
3Dプリンターメーカー・Makerbot社が運営するサイト。素材が豊富にあります。 - 3D CAD DATA.com
日常使いできるデータが多く投稿されています。日本語検索が可能です。 - 3Dshare
無料もしくは99セントで3Dデータをシェアできるサイトです。
3.STL検証ツール、スライサー、フロントエンド
最後に、3Dデータのエラーチェックに必要な「STL検証ツール」と、3Dデータをプリンターが読み込める形式に変換する「スライサー」、プリンターの動きを制御する「フロントエンド(制御ソフト)」を無料版に絞ってご紹介します。
STL検証ツール
作成した3Dデータを3Dプリンターで読み込むためにはSTL形式に変換する必要がありますが、データ変換時に面が抜けたり、裏返ったりする場合があります。そのようなデータの不整合をチェックするためにSTL検証ツールを使います。
- MiniMagics
Materialise社が提供する無料の検証ツール。3Dモデルを回転させながら確認できるほか、寸法測定や図面への注釈追加も行えます。 - Microsoft 3D Model Repair Service
ソフトではありませんが、Microsoft社のブラウザ上で3Dデータのエラーチェックができるサービスです。Microsoftのアカウントでサインインし、データをアップロードするだけで簡単に修正が行えます。
スライサー
スライサーとは、立体の3Dデータ(STL形式)を3Dプリンターで出力できるGコード形式などに書き換えるソフトのこと。通常3Dプリンターには専用のスライサーが付属していますが、家庭向け3Dプリンターではフリーソフトを各自インストールする仕様になっている場合も多いです。ここでは無料のスライサーを3つご紹介します。
- Slic3r
Alessandro Ranellucciによって開発されたオープンソースのスライサー。操作が簡単で初心者向け。繊細な形をした造形物の印刷にはあまり向いていません。 - Cura
オープンソースのスライサー。Ultimaker社の専用ソフトですが、ほかの3Dプリンタでも使うことができます。操作画面がわかりやすく初心者にもおすすめです。 - KISSlicer
近年採用するメーカーが増えている、クローズドソースのスライサー。細かい設定ができるため、こだわってつくりたい人におすすめです。
フロントエンド
スライサーで変換したデータを読み込み、3Dプリンターを制御するためのソフトです。フロントエンドでは、印刷予想時間や温度状況を確認できます。フロントエンドはスライサーと同じく3Dプリンターに付属している場合も多いですが、フリーソフトだとRepetier-HostやPronterfaceが使われることが多いです。
4.フリーソフトを活用して3Dプリンター生活を楽しもう
3Dプリンター向けのフリーソフトはたくさん提供されており、趣味利用であればハイエンド版の機能を無料で使えるケースも多いです。手軽にインストールできるフリーソフトを使って、3Dプリンターでのものづくりを楽しんではいかがでしょうか。