インテリア業界でCADを使う働き方とは?
CADを使って働く業界の一つにインテリア業界があります。建築関係の中でもおしゃれなイメージのあるインテリア業界。その中で、CADはどのように活用されるのでしょうか。この記事では、インテリア業界でCADを使う働き方についてご紹介します。
インテリア業界でCADを使う仕事とは?
まずは、インテリア業界でCADを使う仕事とはどのようなものなのか、その概要や仕事内容について解説いたします。
インテリアを図面に起こす仕事
インテリア業界では、インテリアコーディネーターやインテリアデザイナーが設計した建物の内装を図面に起こすためにCADが用いられます。インテリアデザイナーとは文字通り建築物の内装(インテリア)をデザインする仕事です。インテリアコーディネーターはデザインに加え、お客様への提案や見積もり作成、施工管理などインテリアの総合プロデュースを行います。CADを用いた図面の作成は彼らが行うこともあれば、専門のCADオペレーターが行うこともあります。
年収は30代で300~450万円が平均
インテリアコーディネーター・デザイナーの年収は20代で200~350万円、30代で300~450万円が平均です。ただし、経験を積んでフリーになれば、1,000万円以上の高給を得ることも可能です。近年は老朽化した住宅をきれいに改築するリフォームやリノベーションの件数が増加しており、それに伴ってインテリアコーディネーター・デザイナーへの需要は高まっているといわれています。
インテリアコーディネーター・デザイナーの3つの魅力
インテリアコーディネーター・デザイナーの仕事のやりがいはどこにあるのでしょうか。ここでは魅力を3つのポイントに分けてご紹介します。
ものづくりに深く関われる
ヒアリングしたお客様の要望を設計図に落とし込み、それをもとに照明や家具をつくり上げて配置したときの達成感はほかには代えがたいものです。漠然としたイメージを形にしていくことには苦労も伴いますが、クリエイターとしての真価が発揮される場面でもあります。
お客様の喜びが直接伝わる
インテリアコーディネーター・デザイナーはお客様と直接関わる仕事です。そのため、部屋が完成したときのお客様の喜びも共有することができます。「おかげで素敵な部屋になった」と感謝の言葉をかけられるとそれまでの苦労も吹き飛び、次の仕事へのやる気が湧いてきます。
成長が実感しやすい
インテリアコーディネーター・デザイナーは働けば働くほど実力がついてくることが実感しやすいお仕事です。デザインの知識やバリエーションは経験を積むほど身に付きますし、提案力も高まります。建築士・メーカーとの人脈も広がるため、十分に成長すれば独立も夢ではありません。
インテリア業界でCADを使う仕事はこんな人におすすめ
インテリア業界でCADを使って働くことに向いている人の特徴を3つまとめました。これらの特徴が当てはまる方は、インテリアコーディネーター・デザイナーとしても活躍できる可能性が高いでしょう。
人と接するのが得意
インテリアコーディネーター・デザイナーは、建材メーカーの担当者・施工業者や建物のオーナーなど立場も目的もさまざまな人々と接する職業です。わかりやすくデザインの意図について説明したり、お客様からアドバイスを求められたら的確に答えを返すことが求められるため、人と適切なコミュニケーションを取る能力は必須のものといえるでしょう。
デザインに造詣が深い
建物の内装を考えるうえで、デザインのセンスや知識は必要不可欠です。建物の雰囲気や居住者の生活スタイルに合わせて「和装か洋装か」「クラシカルかモダンか」などを決めていきます。インテリアのトレンドは毎年変わるため、求められるコーディネーター・デザイナーとなるためには常にアンテナを張っておくことも必要です。
細部に目が行き届く
デザイン設計は非常に細やかな神経を使う仕事です。数ミリメートルでもずれていれば、せっかくつくった設計図も無駄となってしまいます。また、インテリアコーディネーターには事務作業も多く、注文書作成や施工の指示書などで細かな数字のチェック能力も求められます。
インテリアコーディネーター・デザイナーになるには?
やりがいの大きいインテリアコーディネーター・デザイナーですが、それらの職業に就くのはどのような道のりが最も近道なのでしょうか。その選択肢や取ると有利に働く資格をご紹介します。
専門学校や美大に通う
デザイン系の専門学校や美大のデザイン学部には、インテリアデザインを専門に取り扱うところもあります。それらに通うことで体系的にインテリアデザイナー・コーディネーターの知識を身に付けることができるでしょう。卒業後はデザイン事務所や設計事務所、家具メーカーやハウスメーカーに実績をアピールして就職することになります。
インテリアCADオペレーターとして経験を積む
インテリア業界のCADオペレーターとして経験を積むことで、インテリアコーディネーター・デザイナーとして即戦力で働きやすくなります。いまやCADの技術は両方の職種で必須のものといえますし、デザイン事務所や設計事務所、家具メーカーなどで業界の知識を身に付け人脈をつくり上げることで、その後の仕事の準備が整っていくからです。
インテリアコーディネーターに役立つ資格
インテリア業界に役立つ資格には以下のようなものがあります。必須のものではありませんが、取得することで就職や転職を有利に運べることが期待できます。また、就職先によっては資格に応じて手当を受け取れる場合もあります。
インテリアコーディネーター資格
公益社団法人インテリア産業協会が主催するインテリアコーディネーターのための認定試験です。筆記形式の一次試験とプレゼン・論文形式の二次試験があります。試験の合格率は平成28年で23.9%と狭き門のため、しっかりと準備して臨む必要があるでしょう。
- 受験資格
- 特になし
- 受験料
- 14,400円(一次試験・二次試験セット)
11,300円(一次試験のみ)
11,300円(二次試験のみ)
インテリアデザイナー認定試験
日本デザインプランナー協会が主催するインテリアデザイナー、インテリア・建築関連の企業で働いている人向けの試験です。インテリアに関する商品知識や販売技術が筆記形式で問われます。インターネットから申し込んで、在宅受験することが可能です。
インテリアアドバイザー認定試験
インテリアデザイナー認定試験と同じく日本デザインプランナーが主催する資格試験です。インテリアアドバイザーとはインテリアについてのアドバイスを行う職業のこと。制作の知識も問われるインテリアデザイナーに対し、提案力が問われる試験です。そのほかの形式はインテリアデザイナー認定試験と同じです。
インテリアプランナー試験
公益財団法人建築技術教育普及センターが主催する試験です。インテリアプランナーは高品質で魅力的な内装を実現できる設計力を証明する資格です。平成28年からはインテリアプランナーの前段階として実務経験の不要なアソシエイト・インテリアプランナーという資格も設けられました。
インテリア設計士資格検定試験
日本インテリア設計士協会が主催する試験で、1級と2級があります。インテリア設計士とは、インテリアの設計、施工管理などの知識・技術を備えていると認められたものの称号です。試験では筆記で設計やデザインについての知識を問われるほか、実技試験や論文試験も行われます。
- 受験資格
- 【2級インテリア設計士】
- この種の大学、短期大学、高等専門学校、高等学校、専門・各種学校、専門教育を卒業または修了した者、および在学中の者
- 一級建築士、二級建築士、木造建築士、インテリアプランナー、インテリアコーディネーター、商業施設士の資格がある者
- 1および2に該当しない者で、試験が行われる年の4月1日現在20歳に達している者
- 2級インテリア設計士資格検定試験の実技または学科試験に、過去3年以内に合格している者(不合格科目のみ受験)
- この種の大学を卒業後、1年以上の実務経験がある者
- この種の短期大学、高等専門学校を卒業後、2年以上の実務経験がある者
- 高等学校を卒業し、2年以上の専門教育を修了後、2年以上の実務経験がある者
- この種の高等学校を卒業後、3年以上の実務経験がある者
- 2級インテリア設計士資格取得後、2年以上の実務経験がある者
- 一級建築士、二級建築士、木造建築士、あるいはインテリアプランナーの資格がある者
- インテリアコーディネーターの資格取得後、1年以上の実務経験がある者
- 1~7に該当しない者で、5年以上の実務経験があり、これらと同等の資格があると認められる者
- 1級インテリア設計士資格検定試験の実技または学科試験に、過去3年以内に合格している者(不合格科目のみ受験)
- 受験料
- 15,000円(2科目<学科・実技>受験)
10,000円(1科目<学科・実技どちらか片方>受験)
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