インテリアデザイナーの仕事内容は?キャリアアップの方法も紹介
「インテリアデザイナーを目指しているけれど、どんな仕事かよくわからない」
「インテリアデザイナーとして働いているので、スキルアップの方法を知りたい」
これからインテリアデザイナーになろうとしている方、現在インテリアデザイナーとして活躍されている方の中には、こうした考えを持っている方もいるのではないでしょうか?
今回は、主な仕事内容からスキルアップに役立つ方法まで、インテリアデザイナーに関する幅広い内容を紹介します。
インテリアデザイナーの仕事内容
まずはインテリアデザイナーの主な仕事、仕事の流れ、求められるポイントなどをご紹介します。
インテリアデザイナー主な仕事とは?
インテリアデザイナーの仕事を一言で表せば、「建物の内装全般の企画・設計に携わる仕事」と言えます。役割は、大きく以下の2つに分類することができます。
①室内調度品のデザイン
家具、カーテン、照明器具、椅子、テーブルなどのインテリア用品のデザインを行います。独自性の高いデザインを求められるケースも無くはありませんが、多くの場合は一定のコンセプトに基づいてデザインすることになります。
②室内空間全体のデザイン
室内といっても、インテリアデザイナーが手がける対象は住宅だけではありません。学校、病院、ホテル、オフィス、美術館などのほか、自動車や航空機、船舶といった乗り物の内装デザインを手がけることもあります。お客様である依頼主のほか、設計者や施工業者などと協力しながら、建築物の室内空間をトータルにデザインしていきます。
仕事の流れ
次に、室内空間全体のデザインを行うインテリアデザイナーの「仕事の流れ」を簡単にご紹介します。
▼インテリアデザイナーの仕事の流れ(例)
①ヒアリングする
間取りや設計図などを確認しながら、お客様である依頼主にヒアリングし、室内空間のイメージや予算などを聞き取ります。
②プランニングする
ヒアリングで得た依頼主のニーズを元に、デザインプランを作成します。提案する際はイメージ画(ラフスケッチ)のほか、CGや模型なども使用します。提案が通ったら、施工業者に見積もりを依頼します。
③デザインする
依頼主と話し合いながら、細かい部分までデザインを行います。デザインが固まったら、インテリア用品の手配や、施工業者への制作依頼を行います。
④監理する
プラン通りに施工が行われているか、壁紙や証明などの細部を含めてデザインを監理します。施工が完了し、インテリア用品を配置したら、依頼主へ引き渡します。
インテリアコーディネーター・建築士とはどう違う?
建築やインテリアに携わっていない方にとって、インテリアコーディネーターや建築士はインテリアデザイナーと混同されがちな職種です。ここでは、その違いを紹介していきます。
インテリアコーディネーターとの違い
インテリアデザイナーは内装全般の企画・設計に携わる仕事で、インテリアコーディネーターは内装やインテリア用品の「提案」を行うのが仕事、という区別をされることがあります。「インテリアデザイナーは内装をイチから考える」「インテリアコーディネーターはある程度完成された空間に対してインテリアの提案をする」という区別の仕方です。この違いにおいては、インテリアデザイナーには建築に関する深い知識が求められると言えるでしょう。 ただし、実のところインテリアデザイナーとインテリアコーディネーターの違いは明確に線引きされないケースも多いです。内装をデザインする美的センスや発想力が求められる点は、両者の共通項と言えます。
建築士との違い
建築士の仕事は、主に建築物の「設計」と「工事監理」です。インテリアデザイナーとの大きな違いは、建築士は国家資格であり、建築士の資格がなければ法的に認められない業務範囲が定められている点です。
インテリアデザイナーにも「日本デザインプランナー協会」が運営する民間資格がありますが、インテリアデザイナー資格がなければ携われない業務というものは存在しません。つまり、資格を取得しなくてもインテリアデザイナーになれるということです。
また、建築士がインテリアデザインを行う場合もありますし、インテリアデザイナーが建築士の資格を取得することもあります。
仕事をする上で求められるポイント
インテリアデザイナーの仕事をするにあたって求められるポイントのうち、ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。
コミュニケーション能力
依頼主から的確にニーズを聞き出し、魅力的に提案するという仕事には、高いコミュニケーション能力が求められます。また、依頼主だけでなく、施工業者や職人など多くの関係者とやり取りを行うインテリアデザイナーにとって、コミュニケーション能力はスムーズな進行を実現する上で欠かせないポイントとなります。良い雰囲気を作ることは、依頼主や関係者からの信頼獲得にもつながるのです。
建築に関する知識
インテリアに関する知識はもちろんですが、依頼主が分かりやすいよう図面を用いて提案する場合などは、建築に関する知識も必要になります。建築士や施工業者とやり取りする際は専門用語を頻繁に使用することになるため、円滑に仕事を進める意味でも、建築に関する知識を持っていることは非常に重要なポイントと言えます。
機能性への配慮
インテリア用品を「流通させる商品」としてデザインする場合は、機能性への配慮が重要なポイントになります。もちろん美的センスも求められますが、流通を前提としている場合は「いかに使いやすいか」という機能面を考慮したデザインスキルも求められます。
インテリアデザイナーの主な就職先
インテリアデザイナーの就職先はさまざまです。どのようなデザインに携わりたいか、あるいは経験したいかによって、就職先を選ぶと良いでしょう。
デザイン事務所
一口にデザイン事務所と言っても、その特徴はさまざまです。インテリアデザインを専門的に行う事務所も存在しますし、住宅、店舗、ホテルなどのインテリアデザインに特化した事務所もあります。このほか、イベントブースのデザインなどを手がける事務所もあります。
ハウスメーカー・建築事務所
住宅に特化したインテリアデザインに携わりたい場合は、ハウスメーカーか建築事務所が選択肢になるでしょう。ちなみに、ハウスメーカーは全国展開しているケースが多いですが、建築事務所の中には地域密着型のものもあります。
その他
上記で紹介した他にも、什器などのデザインを行える家具メーカー、店舗やホテルなどのデザインに携われる設計事務所などがインテリアデザイナーの就職先として挙げられれます。
インテリアデザイナーの年収はどのくらい?
インテリアデザイナーの給与は、一般企業に務めるサラリーマンとほぼ同水準であると言われています。もちろん仕事内容や就職先によって変わりますが、30代なら300~400万円程度が年収の相場と言えそうです。
インテリアデザイナーの具体的な仕事内容や給与額を知りたい方は、実際の求人情報をチェックすることをおすすめします。
インテリアデザイナーになるには?
インテリアデザイナーになるためのルートとしては、高校を卒業後、インテリアに関する専門学校か、建築・住宅・インテリアを学べる学科やコースのある大学または短期大学、もしくは美術大学を卒業し、デザイン事務所やハウスメーカーなどに就職してインテリアデザイナーの職に就くのが一般的です。
また、簡単ではありませんが、一度社会に出てからインテリアデザイナーになることも可能です。この場合、働きながら専門学校などでインテリアデザインを学ぶ方法が考えられます。
インテリアデザイナーとしてキャリアアップするには?
最後に、インテリアデザイナーのキャリアップに役立つ方法をご紹介します。
仕事に役立つ資格を取得する
インテリアデザイナーとして仕事をする上で取得が必須となる資格はありませんが、「持っていると役立つ資格」は存在します。以下で4つの資格を紹介するので、参考にしてみてください。
インテリアデザイナー
日本デザインプランナー協会が運営する民間資格で、インテリアデザイナーとして幅広い知識を有していることを認定するものです。受験する上で必要な資格は特にありません。インテリアデザイナーには国家試験がないため、仕事によっては知識に偏りが出ることもあります。この資格を取得することで、自身に足りない知識を補うことが期待できます。また、取得すれば自宅やカルチャースクールなどで講師活動ができるようになります。
インテリアコーディネーター
インテリア産業協会が運営する民間資格です。上記のインテリアデザイナーと同じく、必要な受験資格はありません。インテリアデザイナーとして箔をつけるために取得する方や、独立のためのステップとして、インテリアコーディネーターの資格を取得する方もいるようです。
インテリアプランナー
建築技術教育普及センターが運営する資格です。以前は国家資格でしたが、現在は民間資格です。インテリアプランナーの資格試験は「学科試験」と「設計製図試験」の2段階。学科試験は受験資格が不要で、合格すると「アソシエイト・インテリアプランナー」として認定されます。インテリアプランナーは、設計製図試験に合格して実務経験などの要件を満たすことで登録されます。登録者の約8割が建築士であることから難易度の高さが伺えますが、取得すればインテリアのプロであることを証明できる資格と言えます。
建築士
建築士資格には一級建築士、二級建築士、木造建築士がありますが、これらはいずれも国家資格です。非常に難易度は高いですが、取得すればインテリアデザインだけでなく、建築物の設計から携わることができるようになります。
別業界に転職する
インテリアデザイナーにとっての転職は、現職の経験を活かすことができ、さらに新たなスキルを身につけるチャンスでもあります。「インテリアデザイナーの主な就職先」でご紹介したように、同じインテリアデザイナーでもその働き方は実に多様です。現在の勤務先とは異なる業界に転職することで、インテリアデザイナーとしてのトータルスキルを磨き、対応の幅を広げることができます。
独立する
デザイン事務所やハウスメーカーなどで経験を積んでから、独立して自分の事務所を開業したり、フリーランスとして活躍するという選択肢もあります。これまで磨いてきた分野に専門特化したり、自身のカラーを生かして働くことができる点は大きな魅力です。ただし、事務所を開業する場合は資金が必要になりますし、経営ノウハウも不可欠です。フリーランスとして独立するとしても営業から行わなければなりませんし、資金管理をする必要もあります。もちろん、成功すれば企業勤めと比べて大幅な年収アップが見込めます。
自分の志向に合わせたキャリアアップを
これからインテリアデザイナーを目指す方は、自身が「どのような仕事をしたいか」で就職先を選ぶと良いでしょう。また、インテリアデザイナーとしてスキルアップを目指している方も、現在の自身の働き方に「どのようなことが生きるのか」を考えた上で、資格取得や転職などを検討してみてください。