CADオペレーターは残業が多い? 希望条件で働く方法

「CADオペレーターの仕事は残業が多いのでは?」と不安になる方は少なくないのではないでしょうか。ここでは、CADオペレーターの残業の実態や、残業をうまく調整できる働き方など、これからCADオペレーターとして働きたい方に役立つ情報をご紹介します。

1.CADオペレーターは残業が多い?

CADオペレーターの仕事で残業が発生してしまう理由や、CADオペレーター業界の残業時間の変化についてご紹介します。

CADオペレーターは残業もある職種

CADオペレーターは残業もある職種です。設計士などのキャリアアップを目指す場合は、成長に応じて仕事の範囲が広がるためどうしても時間内に仕事が終わらないことがあります。そういった状況から、残業が多いイメージがあるかもしれませんが、働き方を選べば残業が少ない働き方も可能です。また、働き方改革などの流れもあり、業界全体の労働環境も整備されてきているといえるでしょう。
CADオペレーターの仕事で残業が発生する理由には、以下のようなものがあります。

納期を守らなければならない

CADオペレーターの仕事には納期が必ずあります。CADオペレーターが設計士の図案を元に製図し、その製図を元に建築物などの施工が始まります。施工開始に合わせて製図を完成させなければならないため、納期間際に残業が発生するケースが多いです。ただし、スケジュールに余裕がない案件ばかりではないため、毎回残業になってしまうわけではありません。

図面の修正作業に時間がかかる

製図した図面を修正する作業には手間と時間がかかるため、残業もやむを得ないことがあります。完成させた製図であっても、クライアントの要望に伴って修正しなければならない場合があります。製図に不備があった場合も同様です。製図の修正は該当箇所を含め、全体を見直さなければならないため、修正に時間がかかる傾向にあります。
例えば家を建てる場合、「当初の設計よりも窓を一回り小さくしたい」という要望があれば、図面を修正しなければなりません。変更点は1カ所であっても、上から見た平面図と真正面から見た正面図の2種類、といったように修正箇所は複数になるケースが多いです。

繁閑の差が激しい

CADオペレーターの仕事は繁閑の差が激しい傾向にあります。繁忙期は複数の案件が同時に動いており、修正対応などを納期に間に合わせるための残業が生じやすいといえます。一方で、設計士の図案ができ上がらなければCADオペレーターの仕事はほとんどありません。なぜならCADオペレーターのメインの業務は、設計士が制作した図案をCADソフトに入力することだからです。
つまりCADオペレーターの仕事の繁閑は製図作業の量によって変わってきます。企業によって繁閑のタイミングは異なるため、気になる方は面接などで確認してみると良いでしょう。

【コラム】残業時間は減少傾向にある?

「残業などによる長時間労働を見直して仕事と生活を調和しよう」というワークライフバランスの考えが広まるにつれ、複数の業界で残業時間は減少傾向にあります。
Vorkersの「業界別の平均残業時間推移」によると、建築・土木・設備工事や住宅設備・建材・エクステリアなどのCADを使う業界も例に漏れず残業時間は減少しています。

◯2012年~2016年までの残業時間比較

  • 残業時間が最も多い
  • 残業時間が最も少ない
  • ピーク時との差
建築・土木・設備工事
84時間(2013年)
55時間(2016年)
-29時間
住宅設備・建材・エクステリア
57時間(2012年)
41時間(2016年)
-16時間

出典:VORKERS「調査レポートVol.32 6万人の社員クチコミによる「平均残業時間推移」」

2.「残業少なめ」で働ける? 派遣でのCADオペレーターの働き方

CADオペレーターに残業が発生する主な理由はわかりましたか。残業時間は減少傾向にあるとはいえ、ほとんど残業せずに働きたいという方もいるでしょう。そこで「残業少なめ」で働きやすい、派遣でのCADオペレーターの働き方についてご紹介します。

派遣社員は「残業少なめ」の希望を出せる

派遣社員としてCADオペレーターの仕事をする場合、「残業少なめ」の希望を出すことができます。そうすれば、派遣会社は希望条件に合った中から会社を探してくれるため、入社してからの残業について心配することはありません。
また、派遣社員は派遣先企業ではなく派遣会社に雇用されるため、もし契約前の条件と異なる場合は派遣会社が派遣先企業に交渉や調整を行ってくれます。残業をなるべく避けたい方は、派遣社員としてCADオペレーターの仕事をすることをおすすめします。

CADオペレーターの正社員と派遣社員の働き方の違い

CADオペレーターの雇用形態で代表的な「正社員」と「派遣社員」の二つの働き方の違いを1日のスケジュール例とともにご紹介します。

正社員の働き方

正社員としてのCADオペレーターは製図作業に加え、事務的な仕事もこなし総合的な仕事ができるキャリアを目指す働き方が一般的です。
経験を積むことでより設計に近い仕事を任せられることもあるため、さらにキャリアアップを挑戦したい方にはおすすめの働き方でしょう。
その分、派遣社員よりは残業をしなければならない場面が多くなるでしょう。

正社員のCADオペレーターのとある一日のスケジュール例

9:00 出社
10:00 製図作業
12:00 昼休憩
14:00 設計担当者と打ち合わせ、現場調査
16:00 製図確認、修正
18:00 事務作業(給与計算)
19:00 退社。

派遣社員の働き方

派遣社員としてのCADオペレーターは、特定のプロジェクトに限定した期間限定の働き方があります。ほかにも繁忙期に向けての人員確保など、企業の求人の目的はさまざまです。
残業なしで働きやすい派遣社員としてのCADオペレーターは、時短勤務の求人もあり「残業できない主婦・主夫」にも人気です。
派遣社員は自分に合った働き方を探しやすい雇用形態といえるでしょう。

派遣社員のCADオペレーターのとある一日のスケジュール例

9:00 出社
10:00 製図作業
12:00 昼休憩
14:00 製図確認、修正
16:00 製図作業
18:00 退社

派遣社員は「残業」以外の希望条件でも働ける

派遣社員は「残業」以外にも、「休日日数」「1日の勤務時間」など本人が希望する条件で働けます。

派遣の中でも、パートタイム型派遣という雇用形態は、限られた時間内で働きたい方に適しています。フルタイムではなく「週3日、1日あたり5時間勤務」といった勤務日数や時間に融通をきかせた働き方を選びたい方にはおすすめです。

働ける時間に制限がある主婦などであっても派遣会社に相談してみると希望の働き方ができるかもしれません。

「パートタイム型派遣」などの派遣での働き方についてより詳しくは、『扶養内で働くには? スキルを生かして派遣で働く方法』をご覧ください。

3.CADオペレーターの仕事は辛い? 未経験でも向いている人とは?

CADオペレーターの仕事には向いているとされる適性があります。ここでは未経験であっても、CADオペレーターの仕事を楽しくやりがいをもってできる適性を解説します。ぜひ下記の適性を参考にしてみてください。

「ものづくり」が好き

「ものづくり」が好きな人は、CADオペレーターの仕事に達成感を得られるでしょう。なぜなら制作した製図を元に建築物やインテリアは作られるからです。CADオペレーターは素材を加工や組み立てをする役割ではありませんが、製図を通して「ものづくり」をしています。画面上だけの存在だった製図が現物として完成したときには、大きな達成感を得られます。

コミュニケーションが得意

コミュニケーションが得意な人は、CADオペレーターの仕事で大いに力を発揮できるでしょう。なぜなら設計士やデザイナーからの指示やクライアントからのヒアリング内容を、正しく理解し製図に反映しなければいけないからです。そのためには話を聞く能力や、こちらから的確な質問を投げかける能力が不可欠です。パソコンに向かって黙々と作業をすることが多いですが、十分にコミュニケーション能力を生かせる仕事でもあります。

コツコツとした作業を辛いと思わない

コツコツとした作業を辛いと思わない人は、CADオペレーターの仕事でも辛いと感じることが少ないでしょう。なぜなら製図の作業はデスクワークが中心で、細かい地味な作業に対しても正確性が求められるからです。小さな修正などにも都度対応を求められるため、コツコツとした作業にストレスを感じない人にはとても向いています。

4.CADオペレーターとして希望条件で働くには派遣社員がおすすめ

CADオペレーターの仕事は、雇用形態によって働き方が異なります。正社員はキャリアアップを望む場合に適しており、派遣社員は残業少なめなど希望する条件に合った働き方に適しています。 未経験からでもCADオペレーターとして働くことができるため、やってみたい、向いている性格にあてはまる、と思った方は早速求人を探してみましょう。