CADオペの将来性は? 未来予測や向いているタイプを紹介
CADオペレーターに興味があるけれど、将来も続けていける仕事なのかな? AI(人工知能)に代替されて仕事がなくなってしまうのでは?
このような疑問を抱えている方に向けて、CADオペレーターの将来性やキャリアアップの方法をご紹介します。
1.CADオペは消える? その将来性は?
CADオペレーターという仕事は将来消えてしまう、という声もネット上にはあります。しかし、実際のところはどうなのでしょうか? その真相をはじめ、将来CADオペレーターがどうなっていくかの未来予想をご紹介します。
CADオペの仕事はなくならない
CADオペレーターの仕事がなくなることはありません。なぜなら、CADはものづくりの業界において、必需品となった技術だからです。建築・インテリア・機械といった業界の製造現場においてCADが使われないところはほとんどありませんし、今後広がることはあってもなくなることはないでしょう。コンピューターの発展とともに登場した技術のため、今後何十年かはほかの技術に更新される可能性も低いです。
ただし、それは「CADが使える」ということが特別なスキルではなくなってきている、ということも意味します。現に、CADが使えるというだけで高い収入を得たりキャリアアップを図ったりすることは、どんどん難しくなってきています。そのため、CADオペレーターが満足な収入を得るには、CADのスキルだけでなく、その業界ごとに求められるスキルを身に付ける必要があります。
それぞれの業界で求められるスキルについて詳しくは、「CADを扱う業界と利用されるCADとは?」をご覧ください。
ADオペの仕事はAIに代替されてしまう?
CADのパート・アルバイトの相場を独自に調査したところ、時給はおよそ900~1,200円でした。詳細な金額は、企業や住んでいる地域によって異なりますが、実務経験が豊富であったり、技術力が高かったりすれば時給が上がる可能性もあります。
そもそもCADを使う仕事パート・アルバイトなら時短勤務も可能は
CADの仕事がなくならなくても、その仕事は、AI(人工知能)に代替されてしまうのでは? AIの発展により多くの仕事が奪われるとささやかれている今、そのような疑問を抱く方もいるでしょう。実際、2015年に野村総合研究所が発表した「人工知能やロボット等による代替可能性が高い100種の職業」にCADオペレーターも含まれています。
人工知能やロボット等による代替可能性が高い100種の職業
出典:「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に~601種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算~」
確かに設計士の書いた手書き図面をPC上のデータに起こす、という意味でのCADオペレーターは、今後AIに代替されていくことが予想されます。しかし、そこにプラスαの技術を身に付ければ、CADオペレーターとしてそれまで活躍してきた人が仕事を失う可能性は低いでしょう。
例え図面をAIが起こすことになったとしても、設計者ごとの傾向を踏まえた修正や、業務上のやりとりなどは当面人間が行うことになります。なぜなら、それらの作業には人間しかなかなか出来ないニュアンスや感情面の理解が必要になるからです。CADのスキルだけでなく、それぞれの職場や人ごとに違う「仕事のコツ」を身に付けるのが、AIに仕事を奪われないための一番の対策です。
3次元CAD技術の需要は大きい
将来のためにCADオペレーターが身に付けるべきスキルとして、それぞれの業界に特化したスキルのほかに3次元CADの技術が挙げられます。設計者の基礎スキルといえる2次元CADとは違い、3次元CADが使える人材は、3次元CADが製造業の現場におけるスタンダードになりつつあるにもかかわらず、いまだに不足しているといわれています。特にオリンピック需要に湧く建設業界や高度なCAD技術が求められる自動車業界では、3次元CADが使える人材の需要は非常に大きいです。
3次元CADについてより詳しく知りたい方は「3DCADから無料ソフトまで! CADの種類とソフトの特徴まとめ」をご覧ください。
2.今後はこうなる! CADの未来予測
1章では個人がこれからCAD業界に飛び込むなら、という観点でCAD業界について解説しました。ここからは、CAD業界全体の現状を元に、未来予測を行います。
CADオペレーターは二極化!
CADオペレーターは「設計者やデザイナーを兼任する人材」と「事務などの周辺業務を兼任する人材」の2種類に分かれていくでしょう。その背景には、設計士・デザイナーであり、かつCADも扱える人材が増えてきたという実態があります。彼らと同じく設計やデザインのスキル・知識を身に付けてキャリアアップも目指すか、彼らのアシスタントとして事務などの周辺作業も担当することになるか。CADオペレーターのこれからの働き方はこのどちらかになると考えられます。一概にどちらが良いとはいえませんが、給与やキャリアの観点からいえば前者が、ワークライフバランスの観点からいえば後者が適しているでしょう。
女性オペレーターが活躍する
今後は、いずれのタイプのCADオペレーターの場合でも、女性がどんどん活躍していくことになるでしょう。
まず、「設計者やデザイナーを兼任する人材」としてキャリアを積む場合、純粋に技術だけで評価されるため、女性でも偏見にさらされず活躍しやすいという利点があります。また、インテリアやジュエリーの分野では、日頃からそういった情報に触れることの多い女性の知見が役に立つ場面が多いです。建設業や土木業はまだ女性が活躍しにくいイメージがあるかもしれませんが、「けんせつ小町」や「土木技術者女性の会」など、それらの業界で働く女性を支援する動きも近年は活発になってきています。
「CADオペレーターと事務などの周辺業務に携わる人材」としてワークライフを重視する場合でも、在宅勤務やパートなど柔軟な働き方を選びやすく、またスキルや知識さえあれば産休・育休後の職場復帰がしやすいCADオペレーターは格好の職業だといえます。
CADオペレーターと女性についてより詳しくは、「女性はCADオペレーターに向いている?そのワケとは?」をご覧ください。
3.向いているのはこんな人!
1章では個人がこれからCAD業界に飛び込むなら、という観点でCAD業界について解説しました。ここからは、CAD業界全体の現状を元に、未来予測を行います。
真面目にスキルを磨ける人
CADオペレーターは、CADソフトを扱うスキルが伴っていなければまったく評価されない職業です。毎日コツコツと図面を引き、真面目にスキルを磨き続けられる人でなければ続けていくことはできないでしょう。
ものづくりに広く興味がある人
どんな業界であれ、CADを使って仕事をするということはものづくりに携わるということです。建築・機械・自動車・インテリア・ジュエリーなどそのジャンルは多岐にわたりますが、どの業界でも、楽しく仕事をするためには「ものづくりに興味がある」ということが不可欠です。
集中力がある人
CADは、ものづくりの仕事の大半がそうであるように、地味な作業が大半の仕事です。また、少し数値が違うだけで図面はその役割を果たせなくなるため、ケアレスミスは絶対厳禁。そのため、地味な作業の中でもやる気や注意力を失わない集中力が必要になります。
4.CADのスキルは無駄にはならない
CADオペレーターの将来性について理解は深まったでしょうか? CADオペの仕事はなくなるといわれることもありますが、当面の間は高い需要が続きますし、業界ごとのスキルや慣習さえ身に付ければ一生CADの知識・技術は無駄にはなりません。自分が向いていると思ったら、心配せずに目指してみると良いでしょう。