これでばっちり! 派遣会社の選び方

お仕事や派遣会社をどのように探しますか?

派遣のお仕事を探すためには、派遣会社を見つけて登録しなければなりません。
しかし、日本の派遣会社数は多く、規模や特徴もさまざま。種類やそれぞれのメリット・デメリットを把握していなければ、自分に適した派遣会社を選ぶのは難しいでしょう。
そこで、このコンテンツでは派遣会社を種類ごとに比較し、特に重視すべき派遣会社選びのポイントについてまとめていきます。

派遣会社にはどんな種類がある?

派遣会社は、規模や資本体系などによって何種類かに系統を分類することができます。それぞれについて、仕事の見つけやすさや働きやすさといった視点から、メリット・デメリットを紹介します。

大手派遣会社

大手派遣会社の特徴

大手派遣会社とは、売上高、従業員数などで業界トップクラスに位置する派遣会社です。その規模の大きさが特徴で、多くが高い知名度を誇っています。

大手派遣会社のメリット

大手派遣会社のメリットは、規模の大きさ(資本力)に起因する充実したサポートです。
福利厚生や研修制度が手厚く、無料で健康診断が受けられるところもあります。
また、求人数が多いため紹介できる職種や業種、働き方の選択肢が幅広く、駅近郊や高時給など条件の良い求人が多いのも大手ならではの利点です。

大手派遣会社のデメリット

大手派遣会社のデメリットも、その規模の大きさから生じます。
派遣登録をすると、営業担当やコーディネーターといった派遣会社の担当社員が相談対応や交渉代行などのフォローを行ってくれます。しかし、大手派遣会社の社員は何十人もの登録スタッフを担当しているため、一人ひとりへのフォローが手薄になりがちです。
また、登録スタッフ数が多いため、希望した求人に応募が多数集まり、選考の段階にたどりつくことすら難しくなることも考えられます。

独立系派遣会社

独立系派遣会社の特徴

独立系派遣会社とは、どの資本系列にも属さず独自に資本金を集めている派遣会社で、日本の派遣会社の多くは独立系に属します。その規模は、全国規模の大手から地域の求人のみを取り扱う中小・ベンチャーまでさまざまです。

独立系派遣会社のメリット

独立系派遣会社のメリットは、選択肢の幅広さとフォローのきめ細やかさです。
取引先が資本系列によらないため、さまざまな職種や業種の中から自分に合った仕事を探すことができます。
また、多くの場合、派遣先での就業後、月に一度以上のペースで営業担当による職場訪問があり、派遣先の悩みや要望などを相談できます。さらに、講習会や勉強会などのキャリアアップサポートが多種多様で充実しているのも、幅広い職種・業種の求人を取り扱う独立系派遣会社ならではの魅力です。

独立系派遣会社のデメリット

独立系派遣会社は親会社とのつながりがないため、条件に合った仕事が安定して用意される保障がありません。そのため、自身の希望や適性とは違う職種や職場環境の仕事を紹介されることも考えられます。特に、企業規模が小さい独立系派遣会社の場合、派遣先が希望や適性にそぐわない可能性もあります。

資本系派遣会社

資本系派遣会社の特徴

資本系派遣会社は、親会社のグループ企業として出資を受けて設立された会社です。そのため、親会社やその関連会社にまつわる仕事を紹介される傾向にあります。

資本系派遣会社のメリット

資本系派遣会社のメリットは、大手企業である親会社との強固なつながりがあることです。
親会社から優先して仕事を受注できる上、担当社員は派遣先について熟知しているため、希望や適性に合った会社へ派遣される確率が高いでしょう。福利厚生は親会社と同じく充実しており、正社員で入るのは難しいような大手企業で仕事ができる可能性があります。

資本系派遣会社のデメリット

資本系派遣会社のデメリットは、独立系派遣会社のように幅広い求人がないことです。特定の目的のために募集がかけられることが多いため、その目的に合致した経歴や実力がなければなかなか採用されません。
また、平成24年10月1日の労働者派遣法改正によりグループ企業への派遣は8割以内までと定められたことで、派遣会社を持つメリットを感じなくなった親会社が資本系派遣会社を手放した例が複数あります。その点では、親会社との安定したつながりが失われてきており、入社後に親会社の事情で派遣先や働き方が変わってしまうリスクがあるとも言えるでしょう。

職種(業界)特化型派遣会社

職種(業界)特化型派遣会社の特徴

職種(業界)特化型派遣会社は、販売員・薬剤師・コールセンター・エンジニアなど特定の職種もしくは、販売・貿易・医療・製造など特定の業界への派遣に特化した派遣会社です。

職種(業界)特化型派遣会社のメリット

職種(業界)特化型派遣会社のメリットは、その派遣会社が専門としている職種・業界に就職しやすいということです。
大手派遣会社が入り込めないほど親密な関係を派遣先と築いているため、他社では募集されていないものも含めて希望する分野の求人をたくさん紹介してもらえます。
業界にまつわる知識・経験の豊富な担当社員からのアドバイスが受けられるのも、特定の業界を目指す方にとって大きな利点です。 
研修やキャリア相談などゼロからのキャリアアップをサポートする制度が整っていることが多く、未経験から専門職や特定の業界を目指したいという方にもおすすめです。

職種(業界)特化型派遣会社のデメリット

職種(業界)特化型派遣会社を利用すると、専門に特化している分、業種・業界の選択肢は少なくなります。例えば薬剤師志望の方が製造業に特化した業界特化型派遣会社に登録しても、希望の求人が見つかる可能性は低いでしょう。
また、キャリアアップが特定の業界に限定されるため、幅広い業界で経験を積みたいというキャリア志向がある方にはあまりおすすめできません。

地域密着型派遣会社

地域密着型派遣会社の特徴

地域密着型派遣会社は、特定の地域限定の求人を紹介してくれる派遣会社です。多くが中小企業で資本力はありませんが、地元企業や地域と強い関係を築いています。

地域密着型派遣会社のメリット

地域密着型派遣会社のメリットは、その地域での就職がしやすいということです。
このタイプの派遣会社は、地元企業の情報が豊富でそれぞれに深いつながりがあることに加え、登録スタッフ数が大手ほど多くありません。つまり、ライバルの少ない求人に万全の状態で応募することができるのです。
また、担当社員が受け持つ人数の少なさからアットホームで手厚い対応が期待できます。

地域密着型派遣会社のデメリット

デメリットは、規模が小さく福利厚生や研修制度が充実していない場合が多いことです。求人数や時給にもあまり期待はできません。
多くの選択肢や好条件の求人を求めている方にとっては、地域密着型派遣会社の求人は物足りなく思えるでしょう。

派遣会社選びのポイント

派遣会社を選ぶときには、事前にホームページや口コミサイトなどをチェックしましょう。派遣会社の特徴やメリットについての理解の有無が、理想の仕事を見つけられるかどうかを左右すると言っても過言ではありません。
この章では派遣会社の情報を確認する際、特に注目するべきポイントをご紹介します。

求人の種類や数

最初に、自分がどのような職場で働きたいのか、しっかりとイメージを固めましょう。希望のイメージに合う求人が多い派遣会社を選んでください。
例えば、特定の業界で働きたければその業界の特化型派遣会社を、志望する大手企業があればその企業の資本系派遣会社を探してみるべきです。
また、求人数は多いに越したことはありません。なぜなら、やむを得ない事情で現在の派遣先を退職せざるを得なくなっても、応募できる会社が多ければすぐに次の勤め先を見つけられる可能性が高いからです。

経営基盤・設立年数

経営基盤とは、企業価値や事業価値など、会社が存続するために必要な土台のことです。経営基盤がしっかりしている会社であれば、景気に多少の上下が生じても給料の遅配などが起こらず登録スタッフの生活は安定します。
経営基盤を推し量る指標の一つが、設立年数の長さ。長い間会社が存続するには、リーマンショックなどの景気の変動に耐えうる経営基盤の強さが必要だからです。
ただし、設立年数の短い中小企業やベンチャー企業でも信頼できる会社はあります。あくまで1つの判断材料として、設立年数をチェックしてください。

福利厚生・研修制度

一般に、大手ほど充実する傾向にあります。福利厚生で特に重要なのが健康保険と厚生年金。それらの制度が整っているかどうかは必ず確認してください。
その際、派遣期間が終了してから次の仕事が決まるまでの待期期間も継続して加入できるかを確認しましょう。継続加入が可能であれば待期期間も保険料を負担してもらえる上に、手続きが楽になります。
また、健康保険は種類によって保険料や自己負担額が異なります。登録前に会社が導入している健康保険はどのようなものなのかを調べておきましょう。
ほかにも健康診断やフィットネス、無料のスキルアップ講習やレストランの割引など派遣会社によって多種多様な福利厚生・研修制度があります。

登録スタッフへのフォロー

派遣先での不満や要望を、派遣元の担当社員に相談できるのは登録スタッフの特権です。困ったことを相談できる場が普段の職場以外にあるというのは心強く、「時給を上げてほしい」など自分からは言いづらいことを担当社員から間接的に伝えてもらえるのもうれしいポイントです。
しかし、担当社員が多忙だったり人数が少なかったりすると、十分なフォローが受けられないことがあります。「担当社員がどのくらいの頻度で訪問してくれるのか」「担当社員は何人の登録スタッフを担当しているのか」などフォローの充実に関わることは、派遣会社を選ぶ前に確認しておきましょう。

キャリアに強く影響する派遣会社選び

派遣会社の種類ごとの特徴や、その選択で気を付けるべきポイントを紹介しました。
ほかに派遣会社選びで有効な手段としては「自己分析を徹底してから情報を集める」「複数の会社に登録してそれぞれを比較する」などが挙げられます。
派遣会社選びはキャリアパートナー選びです。目的に合わせて効率よくキャリアを積めることを前提として、自分に合った会社に登録することをおすすめします。