ジュエリーCADデザイナーってどんな仕事? 使用ソフトやなり方は?

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ものづくりの仕事に広く関わるCADの技術。実は、人々の生活を輝かせるジュエリー業界でも欠かせないものとなっています。ここでは「どんな仕事なのか」「どうすればなれるのか」など、ジュエリーCADデザイナーについての知識をまとめてご紹介します。

1.ジュエリーCADデザイナーとは?

初めに、ジュエリーCADデザイナーとはどんな仕事なのかを押さえましょう。

精巧なジュエリーのデザインをつくり上げ
図面・モデルに起こす仕事

ジュエリーCADデザイナーは「CADソフトを使ってジュエリーをデザイン・設計する仕事」です。設計図を書いたり3Dモデルを制作したりして、指輪やペンダントといったジュエリーのデザインをつくり上げます。
従来ジュエリーのデザインは手作業で行われていましたが、CADの登場でより精巧なモデルをつくれるようになりました。とはいえ、手作業でデザイン画を製図する技術も未だに求められています。

ジュエリーCADデザイナーはこんな人におすすめ

1.ジュエリーが好きな人

CADデザイナーは常にジュエリーと触れ合う仕事です。やりがいを持って仕事に臨むためには「ジュエリーが好き」という気持ちは必要条件だといえるでしょう。また、表現の引き出しを広げるためにも、普段からジュエリーの美しさに興味を持ち、観察できる方が向いています。

2.美的センス・デザインセンスがある人

美しいジュエリーをデザインするためには美的センス・デザインセンスが欠かせません。ジュエリーだけでなく、彫刻や絵画、建築など形や色彩が美しいものを見てセンスを磨くことがジュエリーCADデザイナーとして一人前になるためには大切です。

3.手先が器用で几帳面な人

ジュエリーデザインは、非常に繊細な作業です。見た目の美しさだけでなく耐久性も考慮しながら、バランスを見極めてミリ単位でデザインを調整しなければなりません。ペンやマウスを自在に操る手先の器用さと、細かい違いに気が付く几帳面さがある方は適性があるといえるでしょう。

2.ジュエリーCADデザイナーになるには?

ジュエリーCADデザイナーになるには、専門のスクールで基礎から学ぶか、現場で働きながら技術を身に付ける必要があります。それは、CADの技術だけでなく、見やすい製図を行う能力や独特の業界ルールなどを身に付けるには、どうしても独学では限界があるからです。ここでは、それらの学び方と、ジュエリーCADデザイナーに役立つ資格をご紹介します。

専門学校や通信講座で基本的な知識を身に付ける

ジュエリーCADデザイナーになる一番ポピュラーな手段は、ジュエリーCADが学べる専門学校や通信講座で基礎から知識を身に付けることです。受講期間や受講料金の大まかな相場は以下の表の通り。

受講期間
3・4カ月~半年間
受講料金
12~20万円
学ぶこと
  • ジュエリーCADソフトの基本操作
  • デザイン画の書き方
  • デザイン画の編集法
  • 3Dモデルのつくり方
  • 企画書のつくり方
  • 甲丸リング、ハートペンダントなど実際のジュエリーの造形(実技)

学べる内容によって、受講にかかる期間や料金は変わります。相場は表の通りですが、より本格的にプロを目指すコースでは50万円以上のお金がかかる場合も。基本操作だけが学べるコースでも10数万円は必要となり、実技や応用操作のレクチャーが増えるに従って授業料は高まります。使用ソフトごとにコースが分かれている場合が多く、そうでない場合は最もポピュラーなソフト、Rhinoceros(ライノセラス)が学べる学校が多いようです。スクールによっては、学生向けの廉価版ソフトが購入できる場合もあります。
このように決してかかるコストは少なくありませんが、着実に基礎から学びたい方には確実に役に立つでしょう。

独学は困難! 業界に飛び込んで修行するのも1つの手

「学校に通うような金銭的余裕がない……!」という方は業界に飛び込んで1から修行するのも1つの手段です。当然CADの操作技術やジュエリー制作経験がある人材の方が需要は高いですが、会社によっては、やる気を見て未経験からでも採用してくれる場合も。CAD操作に限らず、ジュエリー制作職人やアシスタントとして入社しても、ジュエリー業界で働く知見が得られるため、良いかもしれません。

ジュエリーCADデザイナーに役立つ資格

ジュエリーCADデザイナーとして活躍するうえで役に立つ資格を、3種類ご紹介します。

ジュエリーデザイン画検定

その名の通り、ジュエリーのデザイン画を描く知識・技術を認定する資格です。筆記試験と実技試験で構成されており、ジュエリーの構造や名称、制作にまつわる知識を問われた後、指定のデザイン画を描く技術を見られます。

内容
筆記試験:約1時間、実技試験:約3時間半
受験料
12,000円
WEBサイト
http://www.npo-jce.jp/designkentei.html

ジュエリーデザイン画検定

ジュエリーに使用されることの多いシルバーを加工するための知識や技術を認定する試験です。ジュエリーデザイン画検定と同じくNPO法人宝飾クラフト教育振興会が主催しており、筆記試験と実技試験があります。実技試験では実際にジュエリーを加工するため、4時間近い時間がかかります。

内容
筆記試験:約1時間、実技試験:約4時間
受験料
12,000円
WEBサイト
http://www.npo-jce.jp/silverkentei.html

貴金属装身具製作技能士

ジュエリー制作の知識と技術を問う国家資格です。級が3段階に分かれており、2級で2年以上、1級で7年以上の実務経験が受験資格となっています。こちらも筆記試験と実技試験に分かれており、指定された製作図に合わせてリングや立体造形を製作する技術が見られます。

内容
(3級)筆記試験:60分、実技試験:180分
(2級・1級)筆記試験:100分、実技試験:420分
受験料
21,000円
WEBサイト
http://www.javada.or.jp/jigyou/gino/giken.html

3.ジュエリーCADソフトにはどのようなものがある?

ジュエリーCAD業界では、ほかの業界とは違いジュエリー専用のCADソフトが使われます。ここでは、ジュエリー業界で使われるCADソフトのうち代表的なものを3種類ご紹介します。

高い拡張性で人気! Rhinoceros(ライノセラス)

ジュエリー業界で大きなシェアを占めるソフトです。高い拡張性を持ち、RhinoGold(ライノゴールド)やFlamingo(フラミンゴ)といったソフトを追加すれば、写真のような画像データを抽出できるようになったり、質感を細かに設定できたりと、よりジュエリーCADに特化した使い勝手の良さが得られるようになります。

すべての履歴が自動保存される3DESIGN

フランスで開発された高機能ジュエリーCADです。すべての履歴が自動的に保存される完全履歴型ソフトのため、変更前にさかのぼって簡単に3Dモデルをつくり直すことが可能です。変更前の形状を一部変更すると、それに合わせて現時点での形状を調整してくれるなど機能の高さが魅力といえるでしょう。その代り、料金はプロ用で100万円近くと高額になっています。

編集の自由度が高い日本製ソフト、JCAD

日本製の3次元ジュエリーCADソフトです。世界的に見ても操作がシンプルで使いやすいジュエリーCADソフトだといわれており、直線・曲線ともに自由につくり込むことができます。特に甲丸リングであれば、5分で設計することができると公式サイトでも明言されています。

無料で使えるジュエリーCADソフトはある?

ジュエリーCADソフトを使う人のほとんどがプロのジュエリーCADデザイナーのため、これが定番といえるような無料のジュエリーCADソフトはありません。ただし、AUTODESK社の高機能CADソフト「Fusion360」の体験版であれば、ジュエリーの立体デザインに使用することも可能です。

「Fusion360」などのフリーCADソフトについて詳しく知りたい方は「【決定版!】無料で使える高機能2次元・3次元CADソフトまとめ」をご覧ください。

まとめ

ジュエリーCADデザイナーの詳細について理解できましたでしょうか? ジュエリーCADデザイナーは高い技術が求められる狭き門ですが、美しいデザインを形にできたときのうれしさは格別です。ぜひ、この記事を出発点に、ジュエリーCADデザイナーの世界を学んでみてください。